なんか嬉しかった。ここまで来たんだって。

なんだか泣きそうだ。

 

みんなが楽しそうに浜辺で遊んでいる姿を見て、一人そう思った。

 

2021年の7月末。
日差しは強いが、海に浸かるとひんやり冷たい。
今年の波津の海は、「リョカンピング」で例年より賑わっている。

気管切開があっても、自分で呼吸をすることが出来なくても、みんなで海に遊びにいっちゃお。
でも、「どうしたら安全に海で遊べるんだろう。」
5年前に悩みながらも始めた”にこりっこ”たちとの海水浴も今年で4回目になる。

スタッフもはしゃぐ。子どもたちと一緒に。
プロボノのスタッフたちも参加してくれた。ドローンも登場。
海水浴の後はそーめん流し。
子どもたちはよく食べた。
口から食べることが難しい子どもたちも味を楽しんだ。

できないって誰が決めるんだろう。
みんなで考えたら、遊びだってできないことの方が少ないのかもしれない。

たったひとりのために始めたにこり。

仲間がたくさん集まって、みんなが笑っていて。
今、子ども達が海を楽しんでくれている瞬間に立っている。
なんだか一人で感動していた。

前日のLINE。
「輝ちゃん、子どもたちと流しそーめんしたい。」
「オッケー。いつ?」
「明日。」
「明日??」
「うん。」
「明日は難しいかもよ。」

そんなやり取りをした翌日。
にこりのデイサービスの前に流しソーメン用の竹が届いている写真が送られてきた。
輝ちゃんの息子さんのたいけい作。
本当にいつもありがとう。

2日目はスイカ割を楽しんだ。
金属バッドにおもちゃのバッド、そしてスイカ。
セナのお母さんがスイカの日ということでスイカをもってきてくれた。
高校野球児だったパパ。本格的な金属バットでした。
こどもたちもスイカ割を楽しみ、最後はにこりPTのふじもんが見事に割ってくれました。
セナも念願のスイカ割り。楽しい時間を一緒に過ごさせてもらった。
セナも浮き輪を使って海を泳ぐ。
お姉ちゃんがはしゃいでいる姿を見ながら、真っ青な空と、美味しそうな真っ白な雲の下で海水浴を楽しむことができた。

きっちゃんの浮き輪にわたしも全体重をかけ、バタ足を披露。
その写真を見たママからのLINE。
「葵巧がビート板みたいやん(笑)、何より実奈の笑顔よ!
…ありがとう。家族だけじゃできないことだから。葵巧も楽しそう。
本当にありがとう。」

 

きっちゃんがきっかけで始まったにこり。

そのにこりが、子どもたちの楽しい毎日の1ページに存在している。
なんともありがたく、きっちゃんの作る道、セナの歩く道、こどもたちの作る道がこれからもずっとずっと続いていく。

スタッフの準備は100点満点。
リスクに備えての対応も、体温コントロールも、泳いだ後のための準備も。
子ども達に楽しんでもらいたいというスタッフの気持ちが、すごくすごく伝わってきた。

「ここまで来たんだな。」

今日あらためて感じた。

”にこりっこ”と楽しんだ3日間の海。
デイサービス管理者の三浦をはじめ、スタッフの想いをこのブログで少しだけでも伝えられたらと思います。
そしてプロボノとして関わってくれている方々。
駐車場を快く貸してくださったぶどうの樹のみなさん。
みてね基金から現場を遠くから見に来てくれたETICの渡辺さん。
いつも子どもたちのために協力してくれる住研の小早川さん。

ありがとうございます。

そして、一緒ににこりを楽しんでくれているスタッフのみんなありがとう。
海水浴の後は私はほぼWebでの仕事だったけど、みんなは現場だったのですごくすごく体力を使っただろうなと。

そしていつも荒木先生ありがとう。
無理だと思った5年前の初めての子ども達の海。「行けるよ」って背中を押してくれた。
今年の海もそっと見守ってくれた。

波津のきれいな海と青空の下でこみ上げてきたこの気持ちは
夏が来るたびにきっと思い出す。

Recent posts 最新のお知らせ・ブログ