子ども達が歩いていく未来が、明るく照らされますように.
「松丸さんはもう、子ども達の未来を明るくしてるじゃないですか。」
ずっとお会いしたかった可知先生に、温かい言葉を頂いた。
可知先生の講演後、日付が変わるまで語り明かした夜の翌日にもらったこのメッセージ。
涙がでた。
令和2年11月20日、北九州市戸畑区のウェルとばた3階大ホールに、
北里大学医学部公衆衛生学講師の可知悠子先生を講師としてお招きした。
「子どもの貧困と健康格差~周りができることは何か~」
という内容で、可知先生を講師として開催された北九州市小児保健研究会の研修会。
19時から約2時間の研修会だったが、130名を超える方が参加し、とても有意義な研修会だった。
この研修会は、にこり副理事長であり産業医科大学小児科医でもある荒木先生が可知先生に声をかけ、実現したものだ。
私は、半年以上前に荒木先生に可知先生のことを教えてもらい、本を読んで、Twitterを追っていた。
研修会で話を聞くことが楽しみだった。
研修会では、可知先生の著書「保育園に通えない子どもたち~無園児という闇~」の販売を担当した。
事前にこの本を読んでいたので、販売場所に来られる方に私の感想を伝えることができた。
そのせいか、講演の開始前に30冊全部売り切ることができた。
この本を、一人でも多くの方に読んでほしい。
この本に書かれている「今、現実に起こっていること」を知ってほしい。
本の内容は、子どもの貧困に関する資料など具体的な数字が多い。この数字というものは私が子ども達のことを伝える時に最も不得意とするところ。
でも、この本に出てくる子ども達、丈くん、りゅうき、サリムサミのデータと根拠のお話と、にこりっこの物語が当てはまった。
この本は、東京で書かれた本だ。
でも、にこりっこの物語と同じ物語がそこに書かれてある。
「保育園に行きたい」とか、そういう当たり前のことが叶えられない物語。
本ではもう少し踏み込んだお話が書かれている。
研修会終了後、可知先生と一緒に食事に行くことになった。
可知先生は素敵な人だった。
「貧困層の子どもたちのデータはわかっても、社会は他人事なのよ。エピソードを伝えることで想像してもらい、他人事から自分事にしていくのがいい」と話してくれた。
それから、
「松丸さんみたいに突っ走って行ける人が変えて行ける人なんだと思います。」と言ってくれた。
私と可知先生はなんだか似ているとも思った。
私は日々現場で子ども達と関わり、可知先生は研究の中で子ども達と関わる。
関わる場所は違っても、同じ問題に気がつき、同じように子ども達にとって明るい未来を願う。
得意なところは違うけれど、同じ願いを胸に進んでいる。
可知先生に会えて本当に良かった。
育ちの良さそうな見た目とのギャップに、男らしささえ感じてしまうほどの逞しさや、切れ味抜群のトーク。
可知先生のことが大好きになってしまった。
「そろそろ閉まります。」
追い出されるようにお店を出る。0時を回っていた。
可知先生との話はおもしろかった。
私は現場から、可知先生はデータから。
お互いに無いものをお互いが持っている。
私たちが一緒に協力していけば、課題を解決していけそうなワクワクを感じた。
「コレクティブインパクト」という言葉をかがやきの市橋先生に教えてもらったけど、まさにこれだ。
「コレクティブインパクト」とは、様々なプレイヤーが共同して社会課題解決に取り組むための枠組み。共同の効果を最大化するための枠組み。
自治体、企業、NPO、政府、財団など様々な分野のプレイヤーが、ある特定の社会課題解決に一緒に取り組み集合的にインパクトを起こす。
可知先生との時間に、「コレクティブインパクト」の可能性を感じた。
翌日の朝
可知先生から届いた温かいメッセージを胸に
訪問に向かいながら、人との繋がりってすごいなぁと思った。
昨日の一日が何かを進歩させる気がした。
子ども達の道に繋がるといいな。
私は自分の子にはあまり与えてあげられていないけど
巡り巡って、自分の子ども達も暮らしやすい未来になりますように。
今生きている全ての子ども達。
これから生まれてくる子ども達。
未来を生きていく次世代が少しでも暮らしやすいように変えていく。
それが私の責務かなと思う。
辛いこともたくさんあるけど、幸せだなぁと思う瞬間があって
そんな瞬間、人のために生きなさいって言われてる気がする。
人の命は限りがあって、私利私欲にまみれても、満たされるものはそう多くないと思う。
どんなに栄光を積んで賞賛された人も、お金を残した人も、いつかは死んでいく。
何が出来ているのか、これでいいのか、迷う日もあるけれどがんばろう。
今現実にある出来事をまずは知ること、そして大人の私達が出来ることを探して、歩こう。
子ども達の歩く未来が明るく照らされるように。
遠い遠い出来事に感じることも、みんなのすぐ近くにある今の出来事。
全ての子ども達が無邪気に笑う毎日が当たり前になりますように。