今まさに夢叶うとき。
まゆちゃんとのやくそく。
まゆちゃんはしょうがくせいのおんなのこ。
べんきょうもあそびもだいすき。
ある、ひとつぜん’のう’ におできができてしまいました。
そのびょうきはまゆちゃんを
あるくことも
てをあげることも
できなくしてしまいました。
まゆちゃんのおうちに
にこり
というチームがくるようになりました。
まゆちゃんはにこりといっしょに
おふろにはいったり、あそびにいったりしました。
まゆちゃんはよくにこりと、おおわらいしました。
にこりにとってもしあわせなじかんでした。
まゆちゃんは、びょうきのちりょうでおおさかのはらせんせいのところにいくことになりました。
おおさかにいくまえのひ、にこりとふたりでおふろにはいっているとき
おとうさんやおかあさん、にいにとずっといっしょにいたい。とはなしました。
おおさかのにいくひのことです。
きせきがおこりました。
まゆちゃんおおさかにあいにいくね。そう、にこりがはなしかけると
まゆちゃんはずっと、うごかしていないてをあげてあくしゅをしてくれたのです。
にこりは、まゆちゃんとやくそくをしたのでおおさかにあいにいきました。あいにいったとき、ずっとねむっていたまゆちゃんがめをあけて、にこりとまゆちゃんは、めとめでかいわをしました。
おおさかからかえってまゆちゃんはちりょうのせいかで、またごはんをたべることができたり、たつことができました。にこりとまたよくわらいました。
あるひのことです。
にこりはおかあさんにいいました。
「きょう、なにかきになることがあればすぐにれんらくしてきてください」
そのひのよる、まゆちゃんはようだいがわるくなりきゅうきゅうしゃでびょういんにいきました。
にゅういんした、あるひ
おかあさんから
「まゆのこきゅうが」とにこりにでんわがありました。
にこりははしりました。びょうしつにつくと、まゆちゃんがひとりベッドにねていました。
「にこり、おねがい」
そうまゆちゃんがいったようなきがしました。
「おかあさん、まゆちゃんをだっこしなくていいですか?」
おかあさんはまゆちゃんをだきしめました。
ぎゅーって。
おとうさんも、にいにもまゆちゃんをだきしめました。
「まゆちゃん、おかあさんずっとずっといっしょだよ。まゆちゃんだいじょうぶよ。おかあさんずぅーっと、みまもっているからね。」
おかあさんはさいごにそうこえをかけました。
まゆちゃんはおかあさんのむねのなかでしあわせそうなおかおでした。
ぎゅうーって、まゆちゃんもおかあさんをだきしめているようでした。
にこりには、まだおわっていないことがありました。
まゆちゃんはえほんのしゅじんこうになりたいというゆめがあったこと。
「まゆちゃん、まゆちゃんのえほんをつくろうね」
にこりはおそらにむかっていいました。
まゆちゃんとのやくそくを、まゆちゃんのゆめをかなえよう。
いま、まさにまゆちゃんのゆめが
かなうとき。
いのちのおはなし会でお母さんが、
まゆちゃんが主人公の絵本を朗読しました。上は朗読前にお話する予定だったものです。
まゆちゃんが主人公の絵本のことが、明後日
FBSめんたいプラスで放送されます。
ぜひ、お母さんが叶えたまゆちゃんの夢を、まゆちゃんの絵本のことを多くの人に知ってもらいたいです。
明日がくること、当たり前の毎日は本当はすごくすごく幸せなことかもしれません。まゆちゃんは笑顔で毎日を楽しみました。そんなまゆちゃんのことを多くの人に知ってもらいたい。治らないと言われた病気を抱えたこどものお母さんと関わるとき、医療従事者ができることは限られています。
ただ同じ時間を共有すること、共に過ごすこと、一緒に笑い一緒に泣く。それしかできなかったけれど、今お母さんに会うとお母さんは笑顔を見せてくれます。まゆちゃんと共に過ごした時間を語り合うこと、お母さんの夢を叶えることができたらいいなあと思います。
「にこり、おねがいね」
まゆちゃんがそう言ってるような気がします。