年刊にっこにこ 2025

小さな一歩を、愉しむ。

2025年度、
認定NPO法人にこりは
理事長と役員が新たな顔ぶれとなり、
創業者の松丸実奈はファウンダーとして
みんなをサポートすることとなりました。

変わらないのは、
こどもと家族のそばで小さな声に耳をすまし、
願いを形にすること。
大変なこともあるけれど、
それでも「やってみよう!」を見つけ、
家族とともに一歩ずつ歩いていく。
そんなにこりの一年の記録です。

はじめての電車、海、家族旅行。

おでかけっ!にこり

障がいや医療的ケアがあるこどもと家族にとって、特に難しいことのひとつが「外出」です。難しい体調管理や、移動中も常に必要な医療的ケア、数十キロを超える医療機器と医療用車椅子(バギー)を持ち運ぶ事などがハードルとなり、病院以外の外出をあきらめてしまっている家族も多くいます。

にこりのおでかけは、そんな「行けない」を「行けた」に変える活動です。スタッフが医療面や移動を支えながら、こどもたちと家族の「行ってみたい」を一つずつ実現しています。こうしたおでかけは、寄付してくださる皆さんの応援によって支えられています。

0を1にできた体験は、家族の自信につながり、こどもの世界だけでなく、家族の未来を広げていきます。にこりはその瞬間を今まで何度も目にしてきました。

さぁ~いってみよー!
  • 1

    おでかけ!にこり

    はじめての電車に
    乗って、
    スペース
    LABOへ!

    My First Train Ride

    車いすのこどもが電車に乗るには、事前に鉄道会社に連絡し、駅で必要なサポートを頼むのはもちろん、他にも様々な事を調べ、手配しなければならない。その難しさや移動の際の不安から、電車に乗って出かけたことがない車いすのこども・家族も多い。

  • 3

    おでかけ!にこり

    みんなで楽しい!
    夜の水族館

    Going to the Night Aquarium Together

    夜の水族館に行こう!という思いつきから、福祉車両を準備し、医療物品を確認し、医療スタッフ、ボランティアの医師が駆けつけ、あっという間に準備をすすめていく。普通なら「難しい」で終わる話も、「行きたい」を叶えるために自然と人が動き出す。「楽しいことは人を動かす」はファウンダー(創業者)の松丸がいつも言う言葉だ。

  • 2

    おでかけ!にこり

    0-1体験 宝泉寺けあらぼ
    災害訓練を兼ねた、
    癒やしと挑戦の2泊3日

    Healing and Challenges

    医療的ケアが必要なこどもたちと家族に「0-1体験」を提供する「宝泉寺けあらぼ」。非日常の場での生活を通して、楽しみながら災害時の備えや対応力を高めることも目的とした。

    医療の必要な0〜12歳のこどもとご家族が、福井・大分・福岡から大分県九重に集結。普段から医療的ケア児をサポートするスタッフや医師も加わり、旅の緊張感が、気づけば町内の温泉旅行みたいな雰囲気に…

  • 4

    おでかけ!にこり

    安全第一!
    海でみんなで海水浴

    Going to the Beach Together

    今年も岡垣町の波津海水浴場へ。生まれてはじめて海に行く子もいる中、こどもたちの数よりも多いスタッフが、着々と万全の準備を整え、いざ出発。何かあったときの備えはもちろん、どうしたら安全にこどもたちが楽しめるかを一番に考える。

    みんなたくさん遊んで、楽しんだあとはお昼寝。岡垣の観光協会の方も様子をみにきてくれた。こどもたちが地域に出ることで、「医療的ケア児を知る人」が少しずつ増えていく。

つぎはどこへいこー
にこりのお祭りの写真

日々の愉しみが、毎日をつくる。

イベントっ!にこり

季節を楽しむこと。
きょうだいで一緒に遊ぶこと。
誰かに気持ちを話せること。
沢山の人と一緒にお祭りを楽しむこと。

そんな時間が、
毎日を豊かに、愉しくしてくれる。

こどもと家族の「こんなことしたいな」から
始まったイベントが2025年もたくさん。

白髭のおじさんもやってくる!
楽しい催し盛りだくさん。

「季節の行事ってなかなか楽しめないんだよね。」あるお母さんが言った。クリスマスやお正月で街中が賑わう季節。医療の必要なこどもたちにとって、街中の人混みにでかけるのは体調や安全面で難しいことが多い。

にこりは毎年クリスマス会を開く。きょうだいも一緒に家族みんなで参加して、クリスマスのお菓子をつくったり、プレゼント交換をしたり、サンタもトナカイもやってくる。ずっと後で、クリスマスといえば思い出す、そんな思い出になったらうれしい。

鮪(マグロ)。

年明けの訪問看護の日。書き初めセットを持って訪問した。小さなときの事故で呼吸器が必要となったいっくん。何を書く? 何が好き? イクラも好きだけど、やっぱりマグロが好きで…ママとスタッフで話しながら、いっくんとママが一緒に筆を握り、書初めをした。

まっさらな紙に「鮪」の一文字がおどる。後日訪問すると、鮪の下に「おねがいします 荒木先生」と書き足してある。リハビリスタッフと一緒に続きを書いたらしい。みんなでわははと笑っていたら、なんと本当に先生が鮪を買ってくれることになった。

鮪パーティーの当日、届いた鮪をいっくんとご家族がみんなでさばき、きょうだいも一緒になって大きな桶に酢飯をつくる。おいしそうな匂いと笑い声が家中に広がっていく。いっくんは事前に招待状も作って、来る人に渡していたそうで、訪問看護のスタッフもお呼ばれして、大将いっくんのにぎったお寿司をみんなで楽しんだ。ママといっくんの鮪の一文字。その小さな願いは色んなところにつながって、この日いちばんの笑顔になった。

父親って背負うものは多いのに、
語る場所は少ない

去年に続く「スナックにこり」第二弾は、「おやじの会」。参加条件は「にこりっこと父」で参加すること。むすめと2人で出かけるのが、初めてのお父さんもいる。

夕方から火をおこして、たき火を囲んで夜がはじまった。こどもたちは、スタッフと過ごしながら、ごろんとしたり、お風呂に入ったりしているうちに、あっという間にねんねの時間。

仕事のこと。家のこと。こどもの名前の由来。生まれる前と、生まれた後のきもち。

たき火をみつめながら、ぽつぽつと気持ちを話す。ふと、おあずかりの部屋をのぞきにくるお父さん。娘を見つめて、そっとなでて、また外へ戻る。すーすーと呼吸器の音が響く夜。おやじたちが、ちょっとだけ力を抜ける時間を、またつくっていきたいと思う。

参加おやじの声
  • こどもを預かってもらえて、私だけでなく妻の時間も作ることができてよかった。
  • 普段会うことがない父親同士で話ができてよかった。また参加したい。

まちのみんなで、いっぱい笑って、
いっぱい遊ぶ一日。

第4回となるにこりのお祭り。北九州市や黒崎商店街、地域の企業などたくさんの人と一緒につくるお祭りだ。2025年も延べ9,000人を超える人でにぎわった。

会場には、おいしいものの屋台やこどもが楽しめるワークショップが並び、ステージではにこりっこたちがダンスを披露。医療的ケアが必要な子も、地域の子も、おとなたちも、めいめいのペースで楽しみ、笑い、久しぶりの再会を喜び合う。商店街のあちこちに、そんな風景が広がっていた。

このお祭りは、医療や福祉に関わる人だけではなく、地域のみなさん、商店街、学生ボランティアなど、本当にたくさんの人と一緒につくっている。帰り際に、「来年もよろしくね。」そんな声をたくさんいただいた。

にこりのお祭りが、にこりっこのいる風景が、黒崎の街の風景になっていく。

にこりのお祭りの写真

毎年恒例にこりのお祭り

第5回開催決定!

ふらっと遊びに来るだけでも、どなたでも大歓迎!
おいしいもの食べて、いろんな体験して、いっぱい楽しもう!

場所:黒崎商店街(福岡県北九州市)
日時:2026年10月12日(祝)10:00〜15:00
み〜んなで混ざって、み〜んなで遊んで、み〜んなで笑える1日

数字でみるにこりの2025年

2025年から2026年

A Year in Review for Nikori: By the Numbers
2025 - 2026

※2025年4月〜2026.3月の集計

にこりがサポートするこどもと家族

こども
274
ご家族
218家族
サポート回数
のべ13,492

にこりは、病気や障がいがあるこどもと家族が在宅で暮らすサポートを、訪問看護、在宅介護、デイサービス、相談支援を通じて行なっています。おでかけや通学サポート、新しい体験の創出など、制度ではまかなえない活動は、皆さんからの寄付で実現しています。

子どもや家族のイメージ写真

産前産後の母子のケア

産前産後ケアを
利用したお母さん
502
産前産後のお母さんが
にこりのサポートを利用した回数
のべ7,665

孤立化が進む社会で、妊婦さんや産後まもないお母さんに伴走するサポートは、大げさでなく、その後の母子の心身の安全を守る砦となります。にこりの「産前産後ケアステーション」・「おやこの訪問看護」は、お母さんたちが「ひとりで頑張らなくていい」「子育ては誰かを頼っていい」と思えるように、サポートを続けています。

産前産後ケアのイメージ写真

おでかけ・旅行支援 / 通園・通学サポート

遠くへのおでかけ
5
  • 海水浴
  • いちご狩り
  • スペースLABO
  • 夜の水族館(マリンワールド)
  • 遠賀川の鯉のぼり など
災害訓練を兼ねた旅行
1

大分県の温泉に、全国から6家族が集結!ノンバリアフリーのお泊まりに挑戦しました。

海水浴の写真
医療の必要なこどもたちの
通園・通学サポート
133

医療的ケアがあるこどもは、
通園・通学バスに乗れないって本当?

バスには看護師がいないという理由で、医療的ケア児は多くの場合通園・通学バスには乗れません。学校や園に通うには、行きも帰りも自費で看護師を手配するか、保護者の付添いが必要です。

にこりが行う「通園・通学サポート」は、保護者の代わりに看護師やヘルパーがバスに付き添う仕組み。事業としては赤字ですが、2025年度は北九州市のモデル事業となり実施できました。障がいがあっても学校に通えることが当たり前になってほしい。皆さんの寄付がその力になります。

海水浴の写真 移動中のサポートの様子

イベント・つながりの場

きょうだい・親子で
一緒に楽しむイベント
30
  • にこりのお祭り
  • クリスマス会
  • 鮪パーティー
  • スペースLABO
  • いちご狩り
  • 夜の宿泊体験
  • スナックにこり おやじの会
  • 双子・三つ子のママの会 12回
  • NICU卒業生の会 11回
クリスマス会の写真 にこりのお祭りの写真

セミナー・講演・新しい取り組み

「にこりと学ぼう!」の開催
5にこり主催の
オンラインセミナー

にこりでは、医療・福祉・子育ての様々なセミナーを不定期で開催。毎回テーマに沿った専門家に登場いただき、たっぷり学ぶことがきます。どなたでも参加できます!

スタッフによる講演・登壇
13

小児在宅医療、虐待防止、産後支援など様々なテーマでお話する機会を頂きました。梅光学院大学の講義にも登壇。未来に羽ばたく学生さんに何かが届いてたら嬉しいです。

登壇中の写真

2025年にスタートした2つのチャレンジ

宿泊型の産前産後ケアのイメージ写真

産前産後ケア [宿泊型]

にこりでは、産後ケアを通して、ワンオペ育児に疲弊するお母さんを数多く見てきました。数時間のサポートでは足りないと感じ、専門職と24時間過ごせる「宿泊型産後ケア」を開始。「安心して赤ちゃんを任せて眠れた」「久しぶりに湯船につかれた」。そんな声が届き、ゆっくり休んで話せる時間がお母さんの笑顔につながっていると感じます。

こどもデイ 夜の宿泊体験の写真

こどもデイ 夜の宿泊体験

医療的ケアが必要なこどもたちの「夜のお泊まり」。こどもたちにはお友達と泊まる楽しみを。ご家族にはレスパイト(一時的な休息)の時間を提供する取組みです。

ご寄付により医療・介護スタッフを確保して実施しています。

職員について

にこり職員総合数
60
前年比+4
保育士
3
看護師
21
准看護師
1
看護助手
1
助産師
10
理学療法士
2
作業療法士
2
社会福祉士
2
介護福祉士
3
ヘルパー
3
栄養士
1
教員
1
事務
7
ドライバー
2
調理担当
1
Nicori Supporters

我ら にこりサポーターのご紹介

2025年度も沢山の皆さまに
ご支援いただきました。

ご寄付・ご支援いただいたみなさま、
本当にありがとうございます。

寄付金の主な用途

  • 活動中の医療的ケアを行う看護師の確保
  • こどもたちひとり一人に付き添い、移動や活動をサポートする介護士の確保
  • バギー(医療用車イス)が載せられる福祉車両の購入・整備
  • 外での活動中に医療機器を動かすためのポータブル電源(1人1台)の購入
  • もしもの時に備えた緊急用の医療物資・医療スタッフの確保

荒木愼一さま、秋野大知さま、浅井龍さま、伊東浩樹さま、一江貴之さま、石本健治さま、入門真生さま、大庭健太郎さま、奥村三枝さま、大西連さま、大木茂さま、加藤滋樹さま、金子淳子さま、工藤一成さま、國本政瑞沖さま、小林洋子さま、是松聖悟さま、坂井主税さま、佐田宙さま、貞松徹さま、下澤政宏さま、進谷憲亮さま、嶋岡鋼さま、高野志保さま、株式会社大福不動産さま、立川翼さま、チャリティサンタさま、ドクターキューブ株式会社さま、一般社団法人オンライン臨床代表理事長岡菜都子さま、在宅サポートながさきクリニック長崎修二さま、成重賢司さま、中村健太郎さま、中島健太郎さま、長崎琢磨さま、野田理都子さま、原邦雄さま、畠瀬陽さま、花桐奈々さま、孕石修也さま、広渡農園さま、古野憲司さま、公益財団法人ベネッセこども基金さま、堀内哲さま、松井晃さま、松永もうこさま、桝田梢さま、桝田悠葵さま、眞山昌さま、宮田綾子さま、社会福祉法人宮共生会さま、山下信也さま、山下風子さま、山口真知さま、山崎雄吉さま、吉川操さま、株式会社神崎工務店福岡営業所吉村さま

  • 掲載の許可をいただいた方のみ、お名前を掲載しています。
  • お名前・団体名は五十順です。

サポーターからのメッセージ

「誰もが移動をあきらめない世界」を目指すプロジェクトリーダー

大澤 信陽さん

「にこり」の皆さんと一緒に電車や飛行機でお出かけした時の、子どもたちやご家族、そしてスタッフの皆さんの輝く笑顔が忘れられません!皆さんの「行きたい」という想いを、これからも一緒にカタチにしていきましょう!!

金子小児科院長、一般社団法人キッズラップ代表理事

金子 淳子さん

すべてのこどものウェルビーイングの実現に向けて、数えきれないほどの「できない」を「できる」へと変え続ける「にこり」。その挑戦と歩みに、心からのエールを送ります。

助成金

公益財団法人ベネッセこども基金 2025年度(第10回) 重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成
社会福祉法人西日本新聞民生事業団 歳末助け合い「まごころ募金」備品等購入助成
イオン岡垣店様では、毎月11日、幸せの黄色いレシートキャンペーンに参加中です。

  • 公益財団法人 ベネッセこども基金
  • 社会福祉法人 西日本新聞民生事業団
  • イオン 幸せの黄色いレシート

代表のごあいさつ

にこり理事長 上田華奈
にこり理事長 上田 華奈 Kana ueda

振り返ると、たくさんのこどもたちやご家族の、
それぞれの物語や願いがありました。
一つひとつのできたらいいなぁの願い。
そこからたくさんの出来事やイベントが生まれました。

一緒にやろう!と集まってくれるスタッフや、地域の大人たち、
学生やアドバイザーのみなさん、いろんな人の想いや力が重なって、
一つずつ形になっていった一年だったと思います。

もちろん、うまくいかなくて失敗したり、へこんだりすることもありました。
でも、それも全部ひっくるめて、にこりらしい、豊かで楽しい一年でした。
こどもも大人も、いっぱい笑って、いっぱい楽しんで、
こどもたちに教えてもらいながら私たちも一緒に育っていく。

これからも、たくさんの人を巻き込みながら、
願いを一つずつ形にしていけたらと思います。
また一年、いっぱい楽しもう!

“こどもと家族の、小さな願いをかなえる”
にこりの活動を支援する
サポーターになりませんか?

にこりは、病気や障がいがあってもなくても、こどもたちとその家族が、
地域で笑って過ごせる毎日に寄り添っています。

福祉や医療の制度だけでは、まかないきれない部分が多く、
日々の活動はみなさまからの寄付やご支援に支えられています。

福祉車両による外出のサポート、海水浴やいちご狩りの体験。
産前産後のお母さんと赤ちゃんの居場所など、
みなさまからの支援で、こどもと家族に笑顔が生まれています。

活動を続けていくために、ぜひ応援をお願いいたします。

にこりを支えるサポーターになっていただけませんか? 月1,000の寄付にこりを応援! 矢印
NICORI